COLUMN
2021.08.27
長期休みの終わりが近づくと、「元気に登校できるかな」「よいスタートをきれるかな…」「夏休み気分の抜けない子が多かったらどうしよう…」など、不安を感じ始める若手の先生も多いと思います。
でも大丈夫、休み明けに学校モードでないのは「子ども」も「先生」も一緒です!
しっかりしないと…と初日から力まずに、
焦らず、子どもたちと一緒にいつものペースを取り戻していきましょう。
本コラムでは、前編・後編に分けて、休み明けの学級経営のコツをご紹介します。
キーワードは、“休み明けをわくわくする時間にしよう!”です。
長期休み前後にちょっとした工夫をして、子どもたちから「先生に会いたい!」「学校が楽しみ!」という前向きな気持ちを引き出して、学期をスタートさせていきましょう。
前編では、学校へのモチベーションを高める実践例を紹介しました。(前編はこちら)
今回の後編では、休み明けに行われることが多い、「席替え」や「係決め」で使える実践例をご紹介していきます!
今回、実践例を教えてくださったのは、2021年6月に発売された『算数×学級経営 魔法の言葉でもう一歩先の授業・クラスを!』の著者である、5名の先生方です。
写真左上から
・高橋 丈夫先生 成城学園初等学校副校長
・青山 尚司先生 筑波大学付属小学校教諭
・楳原 裕仁先生 武蔵野市立第五小学校教諭
・工藤 尋大先生 成城学園初等学校教諭
・小宮山 洋先生 成城学園初等学校教諭
新学期がスタートすることに伴い、心機一転の意味で「席替え」をする先生は多いのではないでしょうか。そこで!これまでとは異なる「席替え」方法を活用して、子どもたちを、脱!休みモードに変えていきましょう。
先生方に、実際に行っている「席替え」方法をテーマに話し合っていただきました。
席替えアプリを積極的に活用します。
今はネットで検索すると席替えアプリというものもありますよね!私はそれを活用して、子どもたちと「席替え」を楽しみながら行っています。
ちなみに、「席替え」は学期初めにも行いますが、毎月行っていますね。子どもたちには「席替え」を通じていろいろな子と関わりを持ってもらいたいです。
「席替え」は、くじ引きで行っています。
完全にランダムなくじ引きで行うことで、子どもたちに「誰と隣になるのかな…?」「どこの席になるだろう…?」というわくわくを感じてもらい、クラス全員で楽しめるような「席替え」にできるように工夫をしています。
Excelの乱数(RAND関数)を活用します。
席をランダムにすることができる乱数を活用しています。誕生日が近い子どもに好きなだけ乱数を発生させるボタンを押させると、より喜んでもらえますよ(笑)。
また、早く登校した子から座席を選べるという「席替え」を行ったこともありましたね。そうすることで、子どもたちが早く登校してくれました。
名札を黒板に貼って「席替え」を行います。
先生が席を決める場合、発表の仕方を工夫するのもおすすめです。座席表を黒板に描いて、その上に名札を貼っていくと、視線が黒板に集中し、1人ずつ席が決まっていく中でクラスが一体となって盛り上がります!名札が貼られる時に、誰かの時だけ盛り上がるのではなく、「全員分盛り上がろう!」ということを伝えることも大切です。
「席替え」をしたら、今学期の係も一緒に決めよう!という流れの先生は多いのではないでしょうか。
その時に、ちょっとした工夫を加えた「係決め」を活用して、休み明けで学校モードに切り替えられていない子どもたちを、脱!休みモードに変えてみませんか?
実際に行っている「係決め」方法や係活動のよさをテーマに話し合っていただきました。
子どもたち自身にやりたい係をアピールしてもらいます。
いきなり係を決めるのではなく、まずは子どもたちに「私は○○係をやりたいです」と、やりたい係をアピールしてもらうことから始めます。係については途中で別の係へ加入したり、係が解散したりしてしまっても良いと思います。大事なのは、子どもたち自身で決めることです。
「何をしてクラスの役に立ちたいか?」と問いかけます。
1学期では「自分が何をしたいか」に主眼を置いて決めます。
そして、2学期に係を決める際には、1学期からステップアップをして、
子どもに「クラスの中でどんなこと(仕事)をしてクラスの役に立ちたいか」を問いかけます。ポイントなのは「自分が何をしたいか」だけではなく「クラスのために何をしたいか」ということです。子ども自身がアイデアを出しながら、係を決めていきます。
係活動で子どもの新たな一面を知ることができました。
クラスの係の中で「お笑い係」を決めたことがありました(笑)。「お笑い係」の考えるネタは「ママたちの立ち話」など、「そんなところからネタを持ってくるのか!?」ということもあっておもしろかったですよ!「お笑い係」を通じて、子どもたちの知らなかった一面を知ることができたので、決めてよかったなと思っています。
子どもたちの意思があって初めて係を決めています。
子どもたちには、自分自身で決めることを大切にしてほしいので、「○○係を決めたい!」という要望があるまでは特に決めていないです。実際、私のクラスの朝の会では、係を設けずとも子どもたち自身で、朝の日直のスピーチに笑えるテーマを設定したり、ミニ劇を作って笑いをとったりして会ができあがっていきます。
先生方の「席替え」や「係決め」に共通しているのは、「子どもたち自身が決める・考えること」ではないでしょうか。脱!休みモードのきっかけとして、上記のような「席替え」や「係決め」を行うことは、「自らで考える」ことにつながり、子どもたちも自然と学校モードになれるような気がします。
また、クラス全体で盛り上がることで、子どもたちが主体となった「席替え」や「係決め」は、子どもたち自身の学校に対する「わくわく」にもつながることでしょう。
前編・後編にわたりご紹介した『【学級経営】休み明けの不安を解消!学級経営のコツ』が先生方の一助になりますと幸いです。
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算数×学級経営
魔法の言葉でもう一歩先の授業・クラスを!
著書:
高橋 丈夫 / 青山 尚司/楳原 裕仁 / 工藤 尋大/小宮山 洋
サイズ:B5版
ページ数:112ページ
定価:1,650円(本体1,500円+税10%)
発行:2021年6月発行
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