導入事例

“校務のDX化”により、テストの採点業務の概念が変化/荒川区立第一日暮里小学校

「EdLogクリップ採点支援システム ひまわりエディション」(以下、EdLog)の導入校にお話を伺う、「EdLog事例紹介シリーズ」。
第一弾は東京都荒川区にある、荒川区立第一日暮里小学校様の事例をご紹介していきます。開発当初からご利用いただいている白井校長先生と、算数専科の瀬間先生にお話を伺いました。

校務をデジタル化するなかで、採点業務の負担軽減にチャレンジ

まずは、校長の白井先生に、EdLog導入前後の現場の変化や、光文書院の評価支援システム「ひまわり先生」とも連携できることによるメリットなどについてお話いただきました。

ー最初に、EdLogを導入された経緯を教えてください。

白井校長:EdLogは、学校の校務のDX化(デジタルトランスフォーメーション化。IT技術の浸透により、よりよい生活へと変革させていくこと)の一環として導入しました。本校では、子どもたちとの時間の創出、先生方や保護者の負担軽減のため、さまざまな校務のデジタル化を進めています。
例えば、学年だよりなど学校からの手紙を電子配信にしたり、健康観察は家庭から「今日は体温〇度、元気です」とアプリを通して送ってもらう形にしたり…といった具合です。担任に知らせればよい簡単な連絡は、このアプリでできるので、先生や保護者が連絡帳に返事を書く業務は軽減されました。また、紙の教科書も学習者用デジタル教科書に切り替えています。

そういった校務のDX化の流れのひとつとして、EdLogによるテストの採点業務のデジタル化も位置づけています。テストの採点業務に限らず、さまざまな校務のデジタル化を進めることで、先生方は時間を有効活用できるようになりました。

本校は、子どもたちにいろいろなことにチャレンジしてもらいたいという思いから「チャレンジする子」「もっと高く・もっと広く・もっと深く」という教育目標を立てています。学校としても子どもたちがさらに学びを追究していけるよう、そして、先生が子どもたちと向き合う時間を創出できるよう、引き続き校務のDX化に取り組んでいきたいと思っています。

ー“校務のDX化”、これからの時代には必要ですよね。そのひとつとしてEdLogもお役に立てているようでとてもうれしいです。具体的にEdLog導入前後でどのような変化が見られましたか?

白井校長:これまでテストの採点は、テスト用紙の上側にある点数欄にまず観点別の点数を記載して、その後全問の採点が終わったら合計点を記載する、という流れを担任の先生一人がクラス全員分行っていました。さらに全員分の採点が終わったら、テストを見ながら、点数をえんま帳(児童の成績を書き留めておく手帳)に転記して…と時間がかかります。
子どもたちが下校してからであればそういった採点の時間ができるかと思いきや、放課後に会議があることも多いですし、会議が終わってようやく自分の一人の時間ができる頃には「え!もうこんな時間!?」と感じてしまうことは多かったです。

特に学期末は、毎時間テストのようなものなので、かなりの枚数のテストを腕一杯に抱えて職員室に戻ってくるわけです。それを頑張って採点しようにも、先ほど述べた転記までの一通りの流れをやっていると、どうしても時間が足りなくなって、未採点のテストが机の上に山のように溜まってしまうこともしばしば…。しかも児童の大切な個人情報なので持ち帰りもできない。すると結局遅くまで残って採点業務をしなければいけない、というのがこれまでの学校現場の現実でした。

▲校長の白井先生

そういった状況の中でEdLogを導入したわけですが、これは非常に有効だったと感じています。特に、①分業ができる、②デジタル採点ができる の2点で大きく採点の概念が変わりました。
①については、EdLogの導入により、これまで担任が一人で行っていた採点業務を「スキャナーはお願いできますか」「採点をお願いできますか」といった具合に分業ができるようになりました。先生方は「一人で無理してやらなくてもよいんだ」と思うことができますので、負担が減り、気軽にテストを実施できるようになったと思います。本校はSSS(スクール・サポート・スタッフ)の先生がいるため、分業がしやすい体制も整っています。

②デジタル採点の機能も非常に有効です。問題の串刺し採点ができるため、正答率が低い問題が一覧ですぐに確認できます。そうすると先生方にとっては「自分の指導が良くなかったかな」とすぐに振り返ることができますし、問題ごとの子どもたちの理解度もすぐに把握できます。
紙のテストで問題ごとに子どもたちの状況を見ようと思うと、1枚ずつめくって誰が間違えたのかをチェックしなくてはいけないですよね。その手間を考えると、圧倒的に一覧の方が助かります。一覧の中で間違っている児童を見つけるだけですから、1枚ずつめくる分の時間を短縮できます。
また、採点が終わると同時に集計も自動でされるため、全体にかかる体感の時間は全然違います。EdLogはひまわり先生(光文書院の評価支援システム)と連携させることができるので、最後にえんま帳に転記する手間も省けます。さらに本校のある荒川区では、ひまわり先生は自治体で導入している校務支援システムとも連携できるため、そのまま一貫して最後の成績処理までできてしまうという便利さです。

ー貴校では、光文書院のテストも多くご利用いただいているとのことでありがとうございます。お使いになるテストを(1メーカーで)統一するメリットや期待する効果は何かあるものでしょうか。

白井校長:あるんですよ、これが。EdLogで採点できることに加えて、やはりひまわり先生と連携させられるメリットは大きいですね。得点集計で役立つひまわり先生は、他社のテストも登録はできますが、光文書院のテストの単元データ(観点や配点)があらかじめ用意されてますので、光文書院のテストでまとめた方が効率的なことに先生たちが気づきました。成績診断シートも自動で出してくれるので、保護者面談等で保護者に児童の成績状況を伝える際にとても有効だと先生たちの評判もよいです。

ー時間が短縮できると、子どもたちの記憶も新しいうちにテストを返却できますよね。

白井校長:そうですね、EdLogのおかげで、テストが翌日には返却できています。マルの形も一定でブレがないですし、子どもからは「マルがきれい、間違えもない」といった声も聞かれます。手作業でのマル付けは、先生方も急ぐので結構間違えてしまうことが多いです。その場合、テスト返却後に「ここマルが付いているのに、本当はマルじゃなかった、バツになっちゃった…」と残念がる子どももいますが、EdLogではそれが起きないため好評です。マルの種類も選べるので、「今回はこの種類のマルなんだ!」と子どもたちの間での楽しみにもなっているようです。

時間短縮により、子どもたちだけでなく、先生方も時間に余裕ができますので、「今日は教材研究に時間を当てよう」「今日は早く帰って家族サービスをしよう」ということが可能になりました。これがやはり大きな変化だと思っています。

成績を自動でデータ化、採点業務の分業ができる便利さ

▲瀬間先生

続いては、現在3~6年生の算数を担当し、EdLogのご利用を開始して約2年弱が経つ瀬間先生に、EdLogを使用するメリットや専科の立場だからこそ見えてくる活用のポイントについてお話をお聞きしました。

ーEdLogをご利用いただいてみて、学校生活の中で便利になったと感じる場面はありますか。

瀬間先生:最初にお試しでそれぞれの機能を紹介してもらった時に、普段手作業でやっている作業が画面上でデジタルに処理されるのを見て、先生方みんなで「おお~」となりました。校務時間の削減になることもあり、現在は学校の半数以上の先生が利用しています。

マルは付けずに誤答を見つければよいので、やはり採点が短時間で済みますし、児童ごとに点数の合計得点を計算する手間がなくなるのも大きいですね。一問ごとに一気に全員分串刺しで採点できるので、各問題に対する自分の採点基準もぶれにくいですし、「これはマルにしたっけ、バツにしたっけ」と見返して採点するようなことも少ないので、そのあたりで特に時間が短縮されているように感じます。

▲マルは付けずに誤答を見つければよいため、採点が短時間で済む。

ー集計された採点結果はその後どのように活用されていますか?

瀬間先生:集計すると、クラス全体の正解・不正解の割合がわかるので、「授業でここの押しが足りなかったな」「指導がちょっと微妙だったな」「数量関係が苦手な子はここが足りなかったんだな」というように、結果を踏まえて、自分の次の指導に活用できます。
ひまわり先生と連携させることもできるので、そこにデータを読み込ませると児童ごとの成績推移も見られて成績分析にも活用できます。ひまわり先生と連携させれば、児童の得点に応じた振り返りプリントも使えるので、単元最後のまとめの時間や、授業のちょっとした隙間時間などに使うこともあります。

ー瀬間先生は専科ということで、担任の先生と児童の成績状況をうまく共有していく必要もありますよね。このあたり、EdLogが入ることでスムーズになった点はありますか。

瀬間先生:そうですね、担任の先生にテストの結果を伝える時にはひまわり先生から出力できる観点別に集計されたデータがあったほうが伝えやすいです。これまでは、Excelに点数を打ち込んではいましたが、そのExcelファイルを担任の先生とその場で一緒に見るということはせず、共有のフォルダに保存しているだけでした。現在のひまわり先生のデータのようにパッと見てわかりやすい点数の一覧を渡すということはせず、比較的あっさりと「こうでした」と伝える感じでしたかね。Excelの時は、観点別に点数をいれる必要があったのでけっこう大変でした。その点、ひまわり先生に移行してからは転記する手間がないですし、より見やすいデータがあることで、担任の先生とのコミュニケーションもとりやすくなったように思います。

時間が削減できるようになったことで、早く帰宅できる日もあれば、教材研究やほかの仕事に回せているなという感覚もあります。これはEdLogのおかげでもあるのですが、本校の場合、SSSの先生がいる点も、大きいと思います。EdLogで採点する前のテストスキャンをSSSの先生にお願いしたり、採点済みのテストの印刷をお願いしたりしていて、このおかげもあって、テストは実施当日か次の日には返却できています。

ーEdLogを活用して分業もされているんですね、これって大きい変化のように感じます。これまでは、テストは実施した先生自身が採点するのが基本で、誰かほかの人に採点をお願いするというのはあまりなかったと思います。それが、「スキャンをお願いします」「印刷をお願いします」と、一部分を切り取って人に頼めるようになっていると。

瀬間先生:そうですね。SSSの先生には、スキャンや印刷だけでなく、分業で私が授業している間に採点業務もお願いすることもあります。EdLogでの採点は、途中で別の先生に作業をお願いしても、そのあと全員の状況が一覧で確認しやすいので、気後れせずに他の先生にお願いできる気がします。紙の採点を分業でやると、全体感を確認するためには結局最後にテストを一枚ずつめくって見る必要が出てきてしまって、それは大変ですからね…。
分業で別の先生に一部の作業をお願いしても、引継ぎの負担がなく、データでスムーズに全体感を把握できるのがとてもよいなと思っています。

ーありがとうございます。先生を応援したいという会社の想いのもとにご紹介させていただいたEdLogだったので、効果的に使っていただけて大変うれしいです。これまでと違って“採点の分業ができる”という点も大切な視点だと感じております。
今後も先生方の負担の軽減や先生方が子どもたちと向き合う時間が創出できるよう、引き続きより使いやすいサービスにしていきたいと思います。

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