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2022.01.31

今更聞けない…けれどポイントは押さえておきたい!学校ワードQ&A “校務分掌”編

学校の先生の仕事と言うと、授業をしたり、プリントやテストの丸付けをしたりがよくイメージされると思いますが、本コラムでご紹介する「校務分掌」も大事な仕事の一つです。
若手の先生の中には、「校務分掌って聞いたことがあるけど何だっけ?」「よく聞く言葉だけど実はよくわかっていない」、そのようなあいまいな理解になっている先生もいらっしゃるかもしれません。
今回は「校務分掌」の基本的な知識を整理してみました。

校務分掌って?

そもそも「分掌」とは、「仕事を分担して、そのうちの一つを受け持つこと」を意味する言葉です。ですので、「校務分掌」という言葉は、校内の組織職務の役割分担を言い表したものとして使われることが多いです。

児童が授業を受けながらも、日常ではクラスの一員としてなんらかの係に属してクラスを運営しているように、先生も授業をしながらも、学校の運営側として「なんらかの係を受け持つ」と考えていただけるとよいかもしれません。

学校には、入学式や卒業式といった各行事の実施や登下校の指導、成績の管理、児童の健康チェック、地域の方々との関係性づくりなど、授業に限らない、多岐にわたる校務が存在します。
授業の実施だけでも大変ですので、上記のような校務はうまく分担し、先生方で協力しながら学校を運営していくことが必要になってきます。

どのような仕事が分担される?

校務の名称や役割・編成、仕事の範囲は学校によって異なりますが、主に教務系や生活指導系、保健安全系の仕事に分かれることが多いです。

学校の実態に合わせて校務を分担し、責任を明確にした「校務分掌図」と呼ばれるものもあります。自分はどの役割を担っているのか、その職務の責任者は誰なのかが図にまとまっていることが多いので、教育計画に示されている具体的な職務内容とともに確認しておきましょう。

(参考:https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/079/siryo/__icsFiles/afieldfile/2017/11/08/1397673_5-2.pdf

例えば、

●教務系の部会
・時間割の作成
・学校行事予定の作成
・指導要録の作成 など

●生活指導系の部会
・登下校の安全指導
・長期休暇にあたっての指導
・交通安全教室の企画運営 など

●保健安全系の部会
・食育教育
・清掃用具の点検
・健康診断の運営 など

のように、各部会が担当する校務を、任命された先生方が進めていくことになります。
最近ではGIGAスクール構想の推進に伴って、ICT関連の部を強化する学校も増えてきているようです。

校務分掌には毎年行う校務も多いので、並行して課題の洗い出しや引継ぎ資料の整備なども進められるとなおよいですね。

「校務分掌」Q&A

ここまでの内容を踏まえて、実際の学校現場で発生するケースについて、Q&Aで考えてみたいと思います。

Q. 分担は誰が決めるの?

A. 「校長は、校務をつかさどり、所属職員を監督する。」(学校教育法37条4項)と定められており、「小学校においては、調和の取れた学校運営が行われるためにふさわしい校務分掌の仕組みを整えるものとする。」(学校教育法施行規則43条)とする規定もあります。
これらに基づいて、各校の校長先生が校務分掌を編成するのが基本です。年度初めに校長先生から担当に任命される形で分掌が決定します。
若手の先生も、学校を運営する立場の一人として、なにかしらの校務を受け持つことになります。

Q. 一人一つの分掌でしょうか?

A.学校によって異なりますが、中には分掌を細分化している学校もあり、そういった学校では一人が複数の分掌を受け持つ場合もあります。
働き方改革の視点で、学校のよりよい運営体制の構築に向けた議論の場も増えています。

まとめ

今回は「校務分掌」の概要についてご紹介いたしました。学校によって分掌のあり方や体制は異なりますが、よりよい学校運営を目指そうという目的は同じです。 若手の先生方にとっては、学校という組織を体感し、さまざまな校務を経験していく機会になるのではないでしょうか。